「株に興味があるけど、長期投資と短期投資ってどう違うの?」と疑問に思っている人はいませんか?
具体的な違いがわからないまま株式投資を始めてしまうと、貴重な資産を減らすことになるかもしれません。
そのため、この記事では長期投資と短期投資の違いについてわかりやすく解説します。
また、それぞれのメリット・デメリットもお伝えしていきます。
投資に興味がある人はぜひ最後まで読んでください。
株の長期投資と短期投資の違い
株の長期投資と短期投資の違いをわかりやすく解説します。
長期投資
株の長期投資はその名の通り、長い期間株を持ち続けることです
長期間、株を持つ目的は主に以下の2つです。
- 将来的に成長する株を持ち、株価が上昇するのを期待する
- 高配当の株を持つことによる、配当益(インカムゲイン)狙い
つまり、長期投資はワインや発酵食品を熟成させて美味しくするイメージに近いですね。
気長に成長を待ち、ちょこちょこ配当で利益を得る投資スタイルです。
ちなみに長期という期間は具体的にはいつからいつまでというのはありません。
一般的には10年以上株を持つことが長期投資と呼ばれていますね。
短期投資
短期投資は、1日から数週間の短い期間で株の売買を行います。
そして、株を購入時よりも高い価格での売却を狙う投資スタイルです。
たとえば、A社の株を10万円で買って、翌日に12万円になったA社の株を売って、12ー10=2万円の利益を得ることです。
短期投資の中でも、株を持つ期間によって以下の2つの手法があります。
- 1日以内に株を売買する手法:デイトレード
- 数日〜数週間の間に株を売買する手法:スイングトレード
デイトレードをする人の「デイトレーダー」という言葉は聞いたことがある人もいるかもしれませんね。
短期投資はこのように、1日以内に株の売買をしなければならないために、株式について深い知識が必要になります。
株の長期投資のメリット・デメリット
それでは、それぞれの投資のメリットデメリットを見ていきましょう。
まずは、長期投資のメリット・デメリットです。
長期投資のメリット
長期投資のメリットは以下になります。
- コストを抑えられる
- 複利効果を受けられる
- 基本ほったらかしでOK
- 積立投資ができる
1つずつ解説しますね。
コストを抑えられる
長期投資は株を持ち続けるので、株式を売買するときのかかる手数料を抑えることができる
株を売買するときにかかるコストが取引手数料です。
短期投資を行うと株の取引回数も自然と多くなるので、かかるコストも多くなってしまいます。
1回の取引でかかるコストはたかが知れていますが、塵も積もれば山となります。
一方で、長期投資の場合は株の取引回数は多くありません。
そのため、短期投資に比べてコストを抑えることができます。
複利効果を受けられる
株の長期投資は複利効果を受けられるのもメリットの1つです。
複利とは元本についた利益に対して、利益がつくこと。
つまり、元本に対して発生する利益を、再度元本として加えられることで、元本が成長する仕組み。
複利は上の図を見てもらうとわかるように投資期間が長くなればなるほど、驚くほど効果が現れます。
そのため、「複利は人類最大の発明」とも呼ばれています。
長期投資において、元本から発生した利益をさらに元本に組み入れて運用することはとても大事です。
この複利は短期投資では効果が得られないので、長期投資だからこそできることですね。
基本ほったらかしでOK
長期投資は株式を選び、購入後は基本的には、ほったらかしでOK
購入のタイミングも毎月定額で投資できる積立にすれば、自動的にできます。
逐一株価をチェックするなどしなくていいので、焦らずに自分のペースで投資に取り組めます。
ただし、数ヶ月に一度は自分の株価の状況をチェックして、海外株と日本株のバランスなどを確認する必要があります。
場合によっては、自分のポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)を変更することも大事です。
積立投資ができる
長期投資するメリットに先ほど少し解説しましたが、積立投資ができることが挙げられます。
積立投資は同じ金融商品を毎月一定額購入する投資方法です。
長期投資と積立投資は相性がとてもよく、複利効果も期待できる
「つみたてNISA」なんかは聞いたことがある人がいるかもしれませんね。
積立投資は長期間かけて、毎月少額から投資を始められるので、投資初心者におすすめです。
長期投資のデメリット
メリットがあれば、デメリットもあります。
長期投資のデメリットは以下の通りです。
- すぐに利益が出ない
- 売り時に注意が必要
- 必ず利益が出るわけではない
- つまらない
それぞれ解説します。
すぐに利益が出ない
長期投資は利益が出るまでに長い時間待つ必要があります。
場合によっては、目標利益に到達するまで数十年とかかります。
短期投資では日々利益を確定させることができるので、気長に待てない人にとって長期投資はデメリットかもしれません。
売り時に注意が必要
長期投資をしていて、急遽お金が必要になるときがあるかもしれません。
たとえば、大きな病気になるなどですね。
そんなときに長期投資の株を売却して、お金を工面しようとする場合もあると思います。
長期投資の株を売るときは、相場よりも落ち込んでいると利益が少なくなるので注意が必要
利益が少ない状況で株を売却することを避けるために、もしもの場合に備えてある程度のお金は用意しましょう。
そして、
- 車の購入費
- 子供の学費
- 住宅購入の頭金
などのすでに必要になるタイミングがわかっているものは、長期投資ではなく現金で用意できるようにしましょう。
必ず利益が出るわけではない
「長期投資は必ず利益が出るのでやった方がいい」と思っている人はいませんか?
僕も最初は同じように思っていました。
確かに長期投資はローリスクローリターンで短期投資よりかは、比較的損をせずに投資ができます。
しかし、その考えは危険だとわかりました。
長期投資をしたからといって、絶対に利益が出るわけではありません。
なぜなら、株価は日々変動しており、将来何が起きるかわからないからです。
2008年の世界的金融危機のリーマンショックようなことが起こる可能性あります。
そうならば、自分が長期投資していた株も少なからず影響が出るでしょう。
このように「長期投資=安全」ではないので注意しましょう。
長期投資のリスクを避けるためには、投資の知識を身につけ、分散投資をすることが大切になりますね。
僕も投資初心者なので、日々勉強しています。
つまらない
単純に長期投資はつまらないと感じる人はいるかもしれませんね。
なぜなら、長期投資は頻繁に株価をチェックすることしないからです。
株を選ぶときはしっかりと吟味しますが、その後は放置状態です。
あまり株のことを気にしなくて済むのは長期投資のメリットですが、
人によっては「もっといろいろ売買したい!」となってもおかしくありません。
僕も実際につみたてNISAをしていますが、放置状態です。
僕も株の売買したいですが、ここで素人がいじくり回すと絶対に損をするので大人しくしています。
短期投資のメリット・デメリット
ここからは短期投資のメリット・デメリットを解説します。
短期投資のメリット
短期投資のメリットが次の通りです。
- 短い期間で利益を得られる可能性あり
- 投資の知識が身に付く
- 投資をしていることを感じれる
- 大きな損をしづらい
以下で詳しく解説しますね。
短い期間で利益を得られる可能性あり
短期投資は1日以内〜数週間の間に株を売買するので、その間に利益を得られるかもしれません。
これは長期投資ではできない、短期投資の大きなメリットです。
1日の中でうまく利益を出すことを続けていけば、毎日利益を出すこともできます。
プロのトレーダーはこの手法で利益を積み重ねています。
投資の知識が身に付く
短期投資は毎日株価やチャートを見て、売買の判断するために自然と投資の知識が身に付く
さらに、短期投資で利益を上げ続けるには、より深い投資の知識が必要になり、さらに投資の勉強をします。
このように短期投資をしているとどんどん投資の知識が身に付くのが、メリットの1つです。
失敗と成功を繰り返して、得た投資の知識はとても貴重のものになるでしょうね。
投資をしていることを感じれる
株の短期投資をしていると、「The投資」を感じられます。
常にチャートをチェックし、最適なタイミングで株の売買を行う。
まさに株をやっている感じがしますね。
これは長期投資で味わうことは難しいことです。
利益を得たときの喜びや、損をしたときの悲しみを日々味わうことができて、刺激のある毎日を送れそうですね。
大きな損をしづらい
短期投資は大きく損をすることを避けることができます。
なぜなら、1日の値動きは制限されており、何かあってもすぐに売買することができるからです。
日本の株取引は1日の値動きの幅が制限されています。
また、1日の中で取引を行うデイトレードはその日の値動きの範囲内で取引をするので、リスクは制限されます。
そして、1回の取引価格は長期投資に比べて大きくありません。
短期投資は大きなリスクに対して、コントロールしやすいので、大きな損はしづらいメリットがある
「株価が大きく下がりそうだったら、すぐに売る」と柔軟に対応できるのは短期投資の強みですね。
短期投資のデメリット
短期投資のデメリットは以下になります。
- 取引コストがかかる
- 四六時中にチャートを見る必要がある
- 大きく利益が得られる可能性は低い
- 配当金や株主優待などのインカムゲインが少ない
それぞれ解説します。
取引コストがかかる
株は売買するときに手数料がかかります。
短期投資は株の売買が必然的に多くなるので、取引コストが高くなる
ただし、証券会社によっては短期投資向けの取引コストを抑えるプランもあります。
手数料は証券会社によって違うので、証券会社選びは重要ですね。
四六時中にチャートを見る必要がある
短期投資は常にチャートを見なければいけないので、他に仕事などがある人にとって両立させることは難しい
また、値動きにで利益や損が決まるため、心身ともに疲弊してしまう可能性もあります。
このように短期投資は常に値動きをチェックしなければいけないことがデメリットの1つです。
初心者は稼ぐことは困難
そもそも、株の短期投資は初心者にはかなり難しいと思われます。
その理由は、株で利益を上げるには、チャート分析など専門的な知識が必要だからです。
少し本やネットの投資の知識をかじった程度では利益を出し続けることは難しいでしょう。
たまたまうまくいくかもしれませんが、それは偶然であり、いつか失敗します。
長期投資・短期投資に向いている人
どんな人が長期投資や短期投資に向いているか気になるところです。
ここではそれぞれの投資に向いている人をご紹介します。
長期投資に向いている人
- 複利や配当金、株主優待で安定した利益が得たい人
- 長期的な目線で物事を考えられる人
- のんびりと自分のペースで投資をしたい人
- 投資に興味があるけど、忙しい人
長期投資に向いている人は、将来的に資産を増やしたい人がおすすめです。
老後や将来に向いての投資を考えている人にはぴったりですね。
また、投資に興味があるけど仕事や家事で忙しい人にも向いていると思います。
長期投資は、普段はあまり値動きをチェックする必要がなく、株価の変動に疲弊することもありません。
のんびりと自分のペースで投資できるのが長期投資の魅力です。
短期投資に向いている人
- 短い期間で利益を上げたい人
- 株の投資を積極的にしたい人
- チャートを常にチェックできる人
- チャート分析などが得意な人
- 株や投資に詳しい人
短期投資に向いている人は、株や投資の上級者であり、短い期間で利益を上げたい人です。
短期投資は初心者が利益を出すに難しく、ハードルが高めです。
しかし、短期投資は長期投資では味わない部分があるのも事実です。
人によっては、利益がその日に出る短期投資が好きな人もいると思います。
そんな短期投資を楽しめる人は向いている言えるのではないでしょうか。
投資初心者は長期投資から始めるがおすすめ
これから投資を始める人にとって、「長期投資か短期投資どっちから始めればいい?」と悩むかもしれません。
結論は
投資初心者はリスクが低く、少額から始めやすい長期投資がおすすめ
です。
長期投資のメリットを見てもわかるように、長期投資は以下のように投資初心者が始めやすい要素が揃っています。
- 常に株価をチェックしなくてもいい
- ほったらかしでも大丈夫
- 少額から始められる
- 複利効果を得られる
このように投資初心者の方にとって、始めやすいのが長期投資です。
まずは、つみたてNISAなどの税制優遇制度を使って初めて見るのがいいかもしれませんね。
反対に短期投資はチャートを分析する力や投資の知識が豊富に必要になります。
投資初心者の方では、かなり難易度が高いと思われます。
もし短期投資に興味がある人は先に投資の勉強をしっかりして、余剰資金の少額から始めるのがおすすめです。
まとめ
今回は株の長期投資と短期投資のメリット・デメリットについて詳しく解説しました。
株の長期投資の目的は、長い目で見て成長する株を持つことや配当や株主優待などのインカムゲインを得ることでした。
一方、短期投資は1日〜数週間の間に株を売買して、その値上がり益で利益を得ることでした。
長期投資は、頻繁に株価をチェックする必要がなく、少額から始められます。
短期投資は、短い期間で利益を上げることができるメリットがありますが、利益を出すには投資の知識が多く必要になります。
これから投資を始める人は、やはり長期投資から始めるのがおすすめです。
NISAの口座を作って、投資を始めてみてはいかがでしょうか。